「楽器の奥行き感がなくのっぺりして聞こえるようなミックスになってしまう…」
「自分のヘッドフォンで聴くと最高だったが、クラブのスピーカーで流したらリバーブ成分が多すぎて恥ずかしかった…」
そんなミキシングやマスタリングがうまくいかないという悩みを抱えていませんか?
プラグインを買い集めるのもいいですが、オーディオインターフェースやヘッドフォン、スピーカーといった根本的な部分を解決しないと、結局はカンに頼るしかなく、意図したミックスができません。
現状のモニタリング環境を改善するともっと高精度で音を聴くことができるようになるので、ミキシングやマスタリングの技術が圧倒的に向上します。
この記事では最高峰の音質をほこるADAM AUDIO A5Xをレビューします。
音が「見える」ように聴こえる、本当に良いモニタリング環境を構築したい方は必見です!
目次
音が「見える」ようになる高音質
プロ用途のモニタースピーカーを探していると、Genelecと並んでよく名前を見るのがADAM AUDIOですがそれも納得の高品質です。
入門用のモニタースピーカーからの置き換えでしたが、音が「見える」ような錯覚を覚える超高音質です。
定位感、奥行きの表現が非常に巧みなので、「細かい部分まで音が聴こえる」ことによって、ミキシング・マスタリングの技術が劇的にレベルアップします。
プラグインを買ったりテクニックを磨くことも大切ですが、音を正しくモニタリングできないことにはその効果を観測できませんし、耳も育ちません。
5.5インチ口径の大きめなスピーカーから50~50,000Hzの圧倒的高レンジかつ超フラットな音が飛び出す世界をぜひ体感してほしいです。
人間は20,000Hzまでしか聴こえないとは言いますが、考えてみてください。
「50,000Hzまで出そうと思って出てきた20,000Hz」 or 「20,000Hzまでしか出さない想定で出てきた20,000Hz」
どっちが余裕があって、どっちが綺麗な音がしそうですか?一目瞭然ですよね!
音がぼわつかない余裕のある設計
この日本でオーディオ用に壁材をこだわったような家に住んでいる人がどれぐらいいるでしょうか。
だいたいはベッドルーム等、いわゆる普通の生活空間にスピーカーを置くと思います。
そのとき、あまり低い音(40Hz以下とか)がしっかり出ても、音響用の部屋でもない限りは低音を制御しきれず、それはそれで音がぼわついてしまいます。
A5Xであれば普通の家庭で鳴らしても、大きな音を出してもぼわつかずに綺麗に鳴ってくれます!
「低音が出れば出るほどいい」というのは陥りがちな罠で、低音はエネルギーが大きいですから、部屋に音が回りすぎちゃってかえって正しいモニタリングを阻害してくることもあるんです。
それを考えたとき、A5Xは50Hzという十分低い音が出ますが、クラブで聞けるような超低音にはフォーカスしていません。
家庭でも鳴らせる限界までスペックを追求しつつも、シビアな環境に左右されない余裕を持った設計をしてあります。
写真のように調整用のEQも充実していますから、部屋の特性に合わせた調整もできます。
できないこと/デメリット
一般家庭で限界まで良い環境を追求する人には胸を張っておすすめしたいA5Xですが、省スペースや小音量での使用を意識するならGenelec等のもう少し口径が小さいモデルを買う選択肢もあります。
A5Xは余裕を持った設計ではありますが、やはり大きな音で鳴らしたときに気持ちの良い音がしますし、スピーカーとして物理的なスペースをとるのも事実です。
無理に狭いスペースで音量を気にしすぎながら鳴らしては、せっかくのスペックも活かしきれません。
筆者は横幅120cmの机に置いていますが、わりとめいいっぱいまで張り出してちょうどいいぐらいです。
- 一軒家/防音室 → ADAM AUDIO A5X
- 集合住宅/マンション → Genelec 8010a
筆者であれば上記の基準で考えます。
環境に合わせて、その中で鳴らせる最高のモニタースピーカーを選びましょう!
まとめ
圧倒的に音が「見える」ことで、これまでの作品のミックス作業を全部やり直したい…と思うぐらいミキシングやマスタリングがやりやすくなりました。
オーディオインターフェースやヘッドフォン、スピーカーといった根本的な部分を改善しないと、プラグインや小手先のテクニックだけでは見えてこない世界もあります。
こればかりは体感してみないとわからないですが、体感したら「入門機で十分」とはもう言えないはずです。
純粋に音が良いので普段のリスニングもめちゃめちゃ楽しくなりますよ!!