ギタリストの皆さんはコンプレッサーを使っていますか?
オーバードライブやディレイと違い、コンプレッサーは効果が地味なので必要ないと思っている方も多いと思います。
しかしプレイするジャンルによってはコンプは必要不可欠のエフェクターであり、ライブやレコーディングでは非常に重宝します。
ちなみにスタジオレコーディングでは100%と断言できるレベルでコンプレッサーが使われています。※ボーカル・ギター・ベース・ドラム含め「ほとんど全ての楽器に」です。
この記事ではコンプレッサーというエフェクターの仕組みと使い方、おすすめのモデルを紹介します。
目次
コンプレッサーの仕組み/使い方
まずはこちらの動画を見てみましょう。
なんとなくコンプレッサーをかけた音のイメージが伝わったと思います。
この音がパッツーンと張ったような感じがコンプレッサーの音になります。
コンプレッサーを一言で表現すると
「大きい音は潰して、小さい音はそのままにする」
です。
それではもう少し詳しく動作原理を見ていきましょう。
⑴しきい値を決める
まずしきい値を決めます。今回は上の図で「60」に設定します。
ギターの音量がこのしきい値を超えた場合、音を圧縮して音量を小さくします。
このしきい値のことを「Threshold」と呼びますが、最初のうちは覚えなくても大丈夫です。
⑵音を圧縮する
しきい値を超えた音量を「60」まで圧縮しました。
正確にはRatioという値で圧縮する割合を決めますが、今回はわかりやすくするためにRatioは「∞:1(=しきい値を超えた音を完全にしきい値まで圧縮する)」とします。
あまり気にしなくてもオーケーです。
⑶全体の音量をあげて音圧(=平均音量)を上げる
⑵で最大音量を「80→60」まで圧縮したので、全体のGainを20上げます。
すると、最大音量は80のまま全体の平均音量が上がりました。
これが音圧を出す・音を整えるというコンプレッサーの役割になります。
他にもAttackやReleaseといった値がありますが、最初は覚えなくてオーケーです。
何しろメーカーによって値の呼び方が違ったり、そもそも値を弄れない仕様になっていることが多いので。
音量を整えて音圧を出す
さてコンプレッサーを使うと何が嬉しいのでしょうか。
主にピッキングニュアンスを揃えるために使用している人が多いですね。
クリーントーンでのアルペジオや、コードのジャカジャカ弾きで音を綺麗にまとめてくれます。
またベースでは指弾き・スラップ、ピックでそれぞれ差はあれど一音の音量差が激しいため、コンプを使わないとアンサンブルで音が抜けにくくなります。
手元のニュアンスや気合では限界があるので、ベースではほぼ必須のエフェクターですね
サステインが伸びる
コンプレッサーを使うと音が減衰しにくくなります。
サステインが伸びるってやつですね。
クリーン・クランチではもちろん、歪ませたソロギターでも効果を発揮します。
たまーに「コンプを使うと下手になる」という意見を聴きますが、普通に使っている分にはそんなことありません。
おそらく音のダイナミクスを完全に失わせるレベルでコンプをかけまくっているせいでしょう。
コンプレッサーはエフェクトなので、どんなに上手な人が弾いてもコンプレッサーをかけた音を真似することはできません。
適量にコンプをかけた音で練習するのが望ましいです。
ちなみにライブではほとんどの場合PAさんがコンプをかけてくれているので、コンプと無縁なギタリスト・ベーシストはいないと思います。
音に艶を与える
コンプレッサーに慣れてくると「音に艶を与える」目的でコンプレッサーを探し始めます。
コンプは音のアタック部分とその後の減衰部分に作用するため、音量だけではなくイコライザー的な役割を果たします。
カッティングのアタック音を強調させれば高音が目立ちますし、サステインを伸ばせば中低音の存在感を目立たせることも可能です。
イコライザーを弄るだけでは絶対に出せない倍音成分を求めて、数々の名機(1176やLA-2Aなど)にお金をつぎ込む人もいるのです、、、
おすすめのコンプレッサー5機種
それではコンプレッサーの仕組みと必要性がわかったところで、市場で人気のあるオススメ5機種を紹介いたします。
どのモデルを購入したらよいか迷っている人はここで紹介するエフェクターを選べば大丈夫です!
MXR/Dyna Comp
コンプと言えばこのモデルは外せません。
Sensitivityでコンプの掛かり具合を調節し、Outputで音量を決めます。
魂の2ノブでコンプ初心者でも簡単に扱うことができます。
しっかりコンプが掛かった音を出してくれるので、コンプレッサーの動作を学ぶには最適です。
他のどんな高級なコンプを持っていても、このDyna Compでしか出せない音があるので一つは所有しておきたいモデルです。
値段もリーズナブルで入門に最適です!
BOSS/CP-1X
今回紹介する5機種の中で1番のおすすめはこのBOSS CP-1Xです。
初めて試奏した時にとても感動したのを覚えています。
まずノイズが非常に少なく、シングルコイルのギターでもノイズが気になることは無いでしょう。
またコンプの掛かり方が非常に自然で「上品な音」を出してくれます。
ジャンルを問わず使えるコンプレッサーですね。
何よりもインジケーターが付いているので自分がコンプをどれだけ掛けているのか( Gain Reduction)を確認できます。
初心者からプロまで万人におすすめできるモデルです。
Xotic/SP Compressor
こちらの「Xotic SP Compressor」には 電池駆動も可能なコンパクトサイズながら、原音とエフェクト音をミックスさせることができる「Blend」ノブが搭載されています。
コンプを使うとどうしても「コンプ臭い音」になってしまいますが、このBlendによって原音と混ぜてあげることで、音圧を確保しつつ自然な音色を実現できます。
また内部DipスイッチによってAttackとReleaseを調節できるため、幅広いジャンルにも対応できます。
DEMETER/COMP-1 Opto Compulator
筆者の敬愛するDavid Gilmour(Pink Floyd)が愛用しているこちらのモデル Dyna Compと同じ2ノブながら、ナチュラルでハイファイな音を出してくれます。
Dyna Compの少し鼻づまりするような音に対して、こちらは超高音域の倍音まで綺麗に鳴ってくれます。
どちらも味付けは濃いですが、よりジャンルを選ばずに使用できるのはこちらですね。
Walrus Audio/Deep Six
毎回素晴らしいデザインのボディと音を提供するWalrus Audioから、業界標準のスタジオ・コンプレッサー「Universal Audio 1176」にインスパイアをされたコンプレッサーDeep Sixが販売されています。
こちらも現代のコンプらしく、BlendやAttack、Sustainなどの豊富なコントロールを搭載しておりラックレベルのクオリティを誇ります。
コントロール部分が多く、Blendノブも付いているので上級者向きではありますが、その分Dyna Compのようなパコパコ系からナチュラル系まで幅広い音作りが可能です。
まとめ
初心者の頃はコンプレッサーの必要性はあまり理解していませんでしたが、一度使い始めると泥沼にハマってしまうという恐ろしいエフェクターです、、、、
手元のピッキングニュアンスでコントールできる範囲よりもさらに細かく一音一音の粒を揃えてくれるので、使いこなせるようになればまさにプロっぽい音が出せると思います。
是非一緒にコンプの沼にハマりましょう!